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協力会社との作業エリア調整をkintoneで効率化|kGrid活用例:新築工事の日ごとの作業割当

夕方に安全工程打合せで各社の職長から翌日の予定を集める。夜は事務所に戻って作業指示書をまとめる。翌朝は、協力会社から今日はどこに入れるかのと電話が入る。新築工事の現場監督にとって、協力会社の作業エリアの調整は、毎日繰り返す大きな仕事です。

この記事では、kintoneのプラグイン「kGrid」を使って、この調整を効率化する活用例を紹介します。

この記事で分かること

  • kGridで、建物の形のマス目の上に日ごとの作業を割り当てる方法
  • 割り当てた結果を、協力会社へ届ける方法
  • 施工管理システムやほかのプラグインとの使い分け

新築工事の作業エリア調整が、現場監督の負担になる理由

協力会社の作業エリアの調整は、手間がかかるだけの業務ではありません。毎日欠かせない義務であり、間違えると事故や手戻りにつながり、しかもExcelの割当表やkintoneの一覧画面では位置関係が見えにくい。この調整が現場監督の負担になるものとして、次の3つがあります。

作業間の連絡調整は毎日の義務で、結果の周知は夜の事務作業になる

多くの現場では、夕方に各社の職長が翌日の予定を持ち寄り、決まった内容を翌朝の朝礼で伝えます。現場監督は日中は現場を離れられないため、打合せの結果を作業指示書にまとめ、各社に配り、問い合わせに答える作業は、どうしても夜の事務作業になります。

作業間の調整はやめられない業務だからこそ、その周辺の手間を減らすことが求められます。

上下・左右の住戸との作業の順番を誤ると、手戻りが起きる

新築マンションの内装・設備工事では、住戸どうしが上下左右でつながっています。そのため、ある住戸の作業は、上下や隣の住戸の作業と切り離して決められません。同じ住戸に複数の職種が同じ日に入れば、作業がぶつかります。工事は下の階から順に進むので、その日に誰がどの階のどの位置で作業するかで、作業の順番と資材の搬入が決まります。

Excelやkintoneの一覧画面では「どの階のどの住戸か」が見えにくい

ところが、作業の割当をkintoneで管理する場合、一覧画面ではレコードが行で並ぶだけなので、上下の階の関係や同じ列に並ぶ住戸のまとまりは見えません。同じ階の住戸をまとめて同じ業者に割り当てたくても、1件ずつ詳細画面を開いて保存することになります。

Excelで割当表を作っている場合は、建物の形に近い表は作れても、変更のたびに作り直して送り直す必要があります。

【活用例】新築工事の日ごとの作業割当をkGridで行う

kGrid は、kintoneのレコードを位置のマス目で表示し、範囲を選んでまとめて登録・更新できるプラグインです。マス目の形は、建物や倉庫、会場など、管理したい場所に合わせて自由に定義できるため、物件ごとに上下左右の位置関係を元にした作業割り当てを実現できます。

建物の形のままマス目にする

マス目は、工事物件ごとに定義します。縦は階、横は建物の左右の位置です。各マスには「101号室」のように住戸番号をラベルとして割り当てます。エントランスや共用部は「入力不可スペース」として設定し、面積の広い住戸は複数のマスを結合して表現することも可能です。これにより、1階の店舗スペースや、上層階の段差など、実際の建物の外観形状をそのまま画面上に再現できます。

マス目は、工事物件と日付で切り替えます。日付を変えると、同じ建物の形のまま、その日の割当が表示されます。1つのマスが、その日のその住戸の作業割当を表す1件のレコードになります。

色分けで協力会社と立ち入り禁止を見分ける

マスは、協力会社別、作業なし、立ち入り禁止、検査日などで色分けします。その日の建物のどこに、どの会社が入っているかが一目で分かります。

縦の列を見れば、上下の階に別の職種が入っていないかも確認できます。kGridが重なりを自動で見つけるわけではありませんが、建物の形で色が並んでいるので、担当者が気づきやすくなります。

行・列・範囲でまとめて割り当てる

kGridでは、マス目をドラッグして範囲を選び、選んだマスにまとめて同じ内容を登録できます。

操作イメージ(クリックで再生)

新築工事では、次のような場面で使います。夕方の打合せで決まった内容を、その場でマス目に入れていけば、打合せが終わった時点で翌日の割当ができあがっています。

  • 内装業者が入る階は、行ごとにまとめて割り当てる
  • 設備業者は、同じ縦の位置の住戸を列ごとにまとめて割り当てる
  • 検査の日は、検査する範囲をまとめて立ち入り禁止にする

調整は元請がkGridで、結果は協力会社のタブレットへ

上下左右の位置を見て判断するのは元請の仕事なので、そこはkintoneアプリ(kGridを利用)で行います。協力会社には、判断した結果のデータ外部公開サービス(kViewerなど)のページで共有します。

kGridで表現されるような縦横のマス目表示(グリッド表示)を外部公開サービスも同様に表現することはむずかしいので、もしグリッド形式で共有したい場合は、kGridの画面をキャプチャーして公開用の日次アプリに添付するといった方法を組み合わせます。

その日の全体はkGridの画面のキャプチャーで見せる

建物全体の割当を見せたいときは、まずkintoneに「公開用の日次アプリ」を用意します。1日1件のレコードとして、日付、工事物件、作業エリア図(キャプチャー画像の添付)、連絡事項を持たせます。打合せで割当が決まったら、kGridの画面で割当後に画面キャプチャーを行い、「公開用の日次アプリ」へ添付して保存します。この「公開用の日次アプリ」を外部公開サービスを用いて公開します。

協力会社は、建物の形のまま、その日の全体と、上下や隣の住戸の作業を見られます。朝礼の前に、自分の作業場所の上下や隣で誰が作業するかを確かめておけるので、段取りの注意も伝わりやすくなります。

自社の割当は、自社のレコードに絞り込んだ一覧で見せる

協力会社が毎朝知りたいのは、「今日、自社はどの住戸に入るか」については、kGridで登録した作業割当のレコードを外部公開サービスを使って協力会社ごとに絞り込んだ一覧で見せます。一覧を階の順に並べれば、住戸番号から場所もすぐに分かります。

元請がkGridで登録した各マス目(セル)ごとに1レコードで保存されますので、割当を変えれば撮り直しなしで最新の内容になります。原価や社内用メモなど外部公開したくないフィールドは、見せないような設定をします。

その他の共有方法

また、常駐の協力会社をkintoneのゲストユーザー、または、通常ユーザーとして登録し、kintoneにログインしてkGridのマス目をそのまま見てもらうという方法もあります。この場合は、ユーザーのライセンス費用がかかることと、アクセス権を適切に設定すること、パソコンで見る前提になること、といった点への考慮・対応が必要です。

施工管理システム・krewSheet・ガントチャートとの使い分け

施工管理システムとは役割を分ける

工程表、写真、図面の共有など、クラウド型の施工管理システム(ANDPADなど)で行っている会社も多いでしょう。kGridは、施工管理システムを置き換えるものではありません。

協力会社との日々の作業調整、安全書類、是正の記録など、施工管理システムでは行わない業務をkintoneで管理しているなら、kGridを使って「その日に誰がどの住戸で作業するか」という作業割当管理も行えます。工程表は施工管理システム、日ごとの住戸の割当はkGrid、と役割を分ければ、同じ情報を二重に入力することもありません。

住戸ごとの進捗はkrewSheet、工事全体の工程はガントチャートで見る

kintoneのレコードの見せ方を変えるプラグインとして、krewSheetのようなExcelライクな表示、ガントチャート形式の表示など、いくつか種類があります。全体の工程はガントチャート、住戸の進捗はkrewSheet、その日の住戸の割当はkGridなど、用途にマッチするプラグインを使い分けをすることが大切です。

  • 住戸ごとの工程別の進捗(内装は完了、設備は作業中など)は、1住戸1レコードで工程をフィールドに持ち、Excelのような表で横に並べるkrewSheetのほうが見やすくなります
  • 工事全体の工程(基礎、躯体、内装、設備の期間)は、期間を帯で並べるガントチャートで見るのが向いています。カレンダーでも日ごとの作業予定は出せますが、どの階のどの位置かは見えません

まとめ:作業エリアの割当はkGrid、協力会社への共有は外部公開で

新築工事の作業エリアの調整は、毎日続けなければならない業務です。kGridで建物の形のマス目の上に割り当て、結果を外部公開サービスで協力会社に届けると、次の作業が減ります。

  • 打合せの後に作業指示書を作り、各社に配る作業
  • 協力会社からの「今日はどこに入れますか」という確認
  • 同じ住戸や上下の階での職種の重なりによる手戻り

同じ仕組みは、改修工事や内装工事の進捗管理にも使えます。設備点検会社の住戸別の点検や、リフォーム会社の工事管理など、「建物のどこで、いつ、誰が」を管理する業務にも応用できます。その他のkGridを使った活用例はこちらをご確認ください。

kGrid製品ページ
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佐藤 貴久

コアノーツ株式会社 代表。 2017年にkintoneに出会い、以降、kintoneの導入支援・アプリ構築等のプロジェクトに従事。現在は現場の課題に応えるためのプラグインを開発・販売をメインに展開。構築支援パートナーの方々が持つ技術力と弊社プラグインのAPIを掛け合わせることで、お客様の利益を最大化するソリューション創出を目指す。 サイボウズの認定資格である「アソシエイト」「アプリデザインスペシャリスト」「カスタマイズスペシャリスト」を保有。

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