PDF編集プラグインのv1.3.0から、kintoneに登録済みの画像をボタン操作で呼び出すことができる機能を追加しました。この機能はPDF編集プラグインの構想当初から考えており、プラグイン開発のきっかけとなった出来事があって以来必要だと思っていたものだったので、ようやくリリースすることができました。
この記事では画像呼び出し機能の解説と、kintoneのアクセス権を組み合わせた画像参照制御について解説を行います。特に、プロセス管理機能(ワークフロー)を用いてPDFを上長に申請&上長がPDFに対して角印を押印するようなケースで威力を発揮します。
画像呼び出し機能の概要とメリット・デメリット
画像呼び出し機能とは、別アプリに登録した画像ファイルをPDF編集画面上でワンクリックで挿入することができる機能です。
画像呼び出し機能を利用することで減らせる手間
通常、画像を挿入する際は、
- 画面左側のバーのボタンをクリック(またはドラッグ&ドロップ)して、PDF上に画像用ボックスを追加する。
- 画像用ボックスをクリックし、表示された参照ボタンをクリックする。
- 挿入したい画像ファイルが格納されているフォルダを開き、対象の画像ファイルを選択する。
- 画像のサイズを調整する。
といった操作を行いますが、画像呼び出し機能を利用することで、
- 画面左側のバーのボタンをクリック(またはドラッグ&ドロップ)して、PDF上画像用のボックスを追加する。
- 画面右側のプロパティパネルから、挿入したい画像用のボタンをクリックする。
というシンプルな操作になります。
特に「挿入したい画像ファイルが格納されているフォルダを開き、対象の画像ファイルを選択する」という操作が無くなるのが一番のポイントで、直感的な画像選択を実現することができるようになります。
画像呼び出し機能の使いどころ
前述のとおりで、この機能を利用することで減らせるのは2つの手順です。しかし、この2つの手順が減るだけでも格段に利用者の手間が削減されることに繋がります。
例えば次のようなケースで、特にPDFファイルの編集時に毎回同じ画像ファイルを挿入したいようなケースにおいては、この機能が大きく活用できるものと考えています。
画像呼び出し機能利用時の注意点
大きなデメリットはありませんが、しいて言えばkintone REST APIを使用して他アプリから画像ファイルを読み込むことを行っているため、1日のAPIリクエスト回数の上限を超えてしまうこともあり得る、という点かと思います。kintone APIのAPIリクエスト数は1アプリあたり1日10,000回まで(スタンダードコース)が上限となっていますが、通常使用する分には問題ないものと想定しています。
画像呼び出しに必要な「画像登録用アプリ」の作成イメージ
画像呼び出し機能を利用するためには、事前に画像を格納しているアプリ(以下、画像登録用アプリ)を用意する必要があります。ここでは、画像登録用アプリとしてどのようなものを用意すればよいか、サンプルについて解説します。
画像登録用アプリの運用決め
まず、この画像登録アプリの運用(誰が画像を登録するのか)を決めます。
ここでは、次のルールでアプリを作成するサンプルとして紹介します。
- Administratorsグループに所属している管理者だけが、レコードの登録・編集・削除が可能。それ以外は閲覧のみ可能。
- 各レコードの閲覧権限は、フィールドの値によって制御する。
画像登録用アプリに必要となるフィールド
画像登録用アプリには、次のフィールドを用意します。

| フィールド名 | フィールドタイプ | 必須 | 補足 |
|---|---|---|---|
| キー | 文字列(1行) | 〇 | 画像を一意に識別するための項目。「値の重複を禁止する」にチェック。 |
| 画像ファイル | 添付ファイル | 〇 | 画像ファイル(jpegまたはpng) |
| 閲覧可能ユーザー | ユーザー選択 | 閲覧権限設定用 | |
| 閲覧可能組織 | 組織選択 | 閲覧権限設定用 | |
| 閲覧可能グループ | グループ選択 | 閲覧権限設定用 |
このサンプルでは、画像ファイル(各レコード)毎に閲覧可能な人を変えたいため、「閲覧可能ユーザー」「閲覧可能組織」「閲覧可能グループ」フィールドを用意しています。
アプリのアクセス権の設定
このサンプルでは「Administratorsグループに所属している管理者だけが登録・編集・削除が可能」という運用にするため、次のような設定を行います。管理者だけをメンテ可能、それ以外のEveryoneには閲覧権限のみ付与しています。
※「レコードのアクセス権」側で定義する場合は、ここはデフォルト設定で問題ありません。ここは自社の運用によって決めてください。
レコードのアクセス権の設定
各レコード毎に閲覧権限を変えたいため、「閲覧可能ユーザー」「閲覧可能組織」「閲覧可能グループ」フィールドに対しては閲覧権限のみを付与します。Everyoneには閲覧・編集・削除は付けません。

特定のユーザー・組織・グループの方にのみ画像を使わせたい場合、各レコードの「閲覧可能ユーザー」「閲覧可能組織」「閲覧可能グループ」に対象の情報を設定してあげればOKです。
※全社員に見せてよい画像の場合、対象レコードの「閲覧可能グループ」にEveryoneを設定して登録。
※ここは自社の運用によって決めてください。
画像ファイルの登録
1レコード1画像となるように、画像ファイルを登録していきます。
次の例では、社印は部長以上グループに所属する人のみ参照可能な設定となっています。ここで設定したアクセス権は、画像呼び出しの際にも適用されます(詳細は後述)。

画像に閲覧権限が無い場合の画像呼び出しの動き
ここでは、部長以上の役職がついている方のみ閲覧化のとした社印画像を呼び出した場合の動きの違いを解説します。
部長以上の方がPDF編集プラグインで社印の呼び出しをした場合
閲覧権限があるため、画面右側のプロパティパネルのボタンをクリックすると、問題なく画像を呼び出しをすることができます。これが通常の動きです。

役職がついていない方がPDF編集プラグインで社印の呼び出しをした場合
閲覧権限が無いため、画面右側のプロパティパネルのボタンをクリックするとエラーが表示され、画像の呼び出しをすることはできません。

このように、画像登録用アプリ側のアクセス権を元にして画像呼び出しが行われますので、特定のユーザーのみ画像参照可能といった使い方が可能です。
まとめ
この記事では、PDF編集プラグインv1.3.0の目玉機能である、画像呼び出し機能について、機能概要、画像登録用アプリのイメージ、閲覧権限による動きの違いを解説しました。
特に、メールで届いたPDFをkintoneで上長に回覧し、上長がPDFに押印(画像ファイルを追加)するようなケースでは、上長側の押印画像選択がワンクリックでできるようになりますので、操作がシンプルになります。ぜひ活用してみてください。
コアノーツ株式会社 代表取締役。
2016年よりkintoneの導入支援・アプリ構築等の数多くのプロジェクトに従事。
現在は現場の「あと一歩」の課題に応えるためのプラグインを開発・販売。パートナー企業の皆様が持つ高い技術力とAPIを掛け合わせることで、お客様の利益を最大化するソリューション創出を目指す。「発想をカタチに、可能性をもっと先へ」がモットー。



