2026年1月、新サービスとしてkintoneプラグイン「koaAdmin」をリリースしました。koaAdminはシステム管理者向けプラグインで、システム管理におけるユーザー・組織・グループの利用箇所調査に特化した機能を提供しています。(2026年1月時点は検索機能のみ提供しておりますが、今後のバージョンアップで更新機能を追加予定です。)
この記事では、koaAdminの開発裏話として、背景、考慮した点などの裏話のご紹介します。文末にモニター募集についても載せていますので最後まで是非ご確認ください。
目次
開発の背景:調査に時間が溶ける・・・これは何とかしたい。
koaAdminを開発した理由は、大きく分けて2つあります。1つ目は私たちがお客様のkintone環境保守作業の中で体験したことから、2つ目は管理者の負担軽減を常々思っていたことからです。
kintone標準機能の壁と目視確認の限界
これまで多くのお客様のkintone環境を保守する中で、組織変更や担当者変更、グループ定義の見直し(使用していないグループの削除)といった場面になんども遭遇してきました。その際に避けては通れないのが、「どのアプリの設定を変更する必要があるのか?」という影響範囲の調査です。
変更対象となるユーザー・組織・グループが、kintoneの設定上のどこで使われているのかを全て洗い出し、影響箇所を新しい情報に書き換える。言葉にすれば簡単ですが、この作業は実務においてかなり根気のいる作業でした。なぜなら、
「ユーザーAさんが設定上のどこで使用されているかを検索したい」
というようなことが、kintoneの標準機能ではできないためです。数年前にkintoneのサポートにも一度確認したことがありましたが、機能としては存在しないようでした。そのため、仕方なく1つひとつのアプリを開き、各設定画面をくまなく見て回ることを行っていました。
しかし一口に設定確認といっても、プロセス管理/通知/アクセス権/フィールド/一覧/グラフなど、見るべき箇所は多岐にわたります。
これを、アプリの数だけ確認していく・・・。アプリ数が少ないうちはまだいいかもしれませんが、kintone活用が進み、アプリ数が50を超えてくると、これを人力でこなすのは限界です。
しかもこのやり方では必ずといっていいほど設定漏れが発生します。そのため設定漏れがないか、一通りの設定変更後に再度1つひとつ確認する作業も発生します。この作業に膨大な時間を費していた時期もあったので、突発的に来る「組織変更をX月X日にやるからよろしく」「担当が変わったからAさんからBさんに変えて」といった依頼には、「嫌!」と言いたくなることが度々ありました。(嫌とはモチロン言わないですが・・)
私たち自身としてはJavaScriptで処理を作りデータだけ書き出してチェックするという方法を試みていましたが、簡易的なツールであったため管理画面で確認できればもっとはかどる。この体験がプラグイン開発のきっかけとなりました。
システム管理者の見えない負担を減らしたい
2つ目の理由は、kintone管理担当者(システム管理者)の負担を少しでも減らせないかと常々思っていたからです。
たとえば次のポストをたまたま発見したのですが、私たちはとても共感しました。
仕組みを支えている人は、まさにkintoneの管理者であると考えています。 社内に専任がいる場合も、社外パートナーに依頼している場合も、管理者は見えないところで業務がスムーズに回るよう、日々頭を悩ませています。新しい情報の収集、現場からの要望対応、そしてトラブル対応。その中で、アプリの設定変更に伴う「影響調査」は、間違いなく業務のボトルネックであると感じていました。
安定運用のために調査は必要不可欠です。しかし、この「調査そのもの」に時間をかけすぎるのは、正直もったいない。設定変更の影響範囲を、もっと確実に早く特定できるようになれば、システム管理者はエンドユーザーのための本来の業務にすぐに取り掛かることができるはずです。
koaAdmin開発で私たちが大切にした3つの考慮
開発を進める中で、常に「管理者が本当に使いやすいとは何か?」を問い続けました。色々と考慮した中から3つほど、こだわりのポイントをお話しします。
①網羅性をどう表現するか?
1つ目に考慮したのが検索結果の網羅性です。 koaAdminの目的は影響範囲の確認ですが、APIの仕様上、どうしても取得できない設定項目が存在します。
ここで、取得可能な情報に対してのみ検索結果を表示するということも考えたのですが、これだと管理者の目線からは「ではプラグインが検索できない部分はどこなの?」という疑問が残ってしまいます。
そこで私たちは、あえてプラグインでは検索できない部分(APIでは取得できない部分)も画面上に明示する仕様にしました。

取得できない項目は「その他」タブに表示し、ここは管理者様ご自身で確認が必要と明記しています。そうすることで、koaAdminを見れば「確認すべき範囲(自動+手動)」の全体像が把握できるようにしました。
※2026年1月時点では上記の通りですが、今後のkintoneのバージョンアップによりAPIが対応していくと思われますので、その際は都度プラグインもバージョンアップして対応してきます。
②レコードデータ検索の利便性とパフォーマンスのバランス
2つ目は登録済みデータの検索におけるパフォーマンスへの配慮です。
設定の見直しと合わせて行うのが、登録済みデータに対する変更。過去分のデータは変更前の状態でOKというケースももちろんありますが、アプリの設定変更と合わせてデータも新しい情報に洗い替えしたいというケースは多々あります。そこでkoaAdminではレコードデータに対しても検索する機能を入れています。
ここで考慮したのがAPIの呼び出しについてです。検索ボタンをクリックするたびに全アプリに対して検索をかけてしまうと、APIコール数も多くなり、さらに結果表示までの時間もかかってしまうことになります。アプリ数が多ければその分時間もかかり、使い勝手がよくありません。
そこでこのデータ検索については、オプション(必要な時だけONにする)という形にしました。

まずはデータ検索はOFFにして設定を確認し、必要な場合のみONにしてデータを検索する。設定の見直しをまず行い、一通り終わったらデータを確認するというような使い方を想定しています。ただ、もう少し良い方法があるようにも感じているので、今後の継続課題としています。
③kintone全体の負荷を考慮した「基本情報読込」
3つ目は、kintone環境全体への配慮です。 詳細な設定情報を取得するためには多数のAPI呼び出しが必要になりますが、検索のたびにこれを行うと負荷がかかってしまいます。
そこで、検索の都度APIを呼び出すのではなく、基本情報読込という処理を最初に行い、その情報を元に検索をかけるという方法を採用しました。 一度基本情報の読み込みボタンを押していただく手間はありますが、これはkintone環境にかかる負荷を減らし、かつスピーディに検索を行うために必要なステップだと判断しました。
また、この方法にすることで、読込後に変更されたアプリ情報は検索対象にならない、というデメリットも発生してしまい、この点で操作性が下がると認識しています。このような場合は再度基本情報読込を行ってから検索をするという手間が発生してしまうのでどうすべきか悩んだところではありますが、負荷を考慮してこのような形をとっています。ここは今後改善の余地があると考えています。
システム管理者にもっと光を
もしこの記事をお読みいただいている経営者あるいは決裁権をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひお伝えしたいことがあります。あなたの会社のkintoneが、毎日何事もなく安定して動いているとしたら、それは当たり前ではありません。 システム管理者が見えないところで細心の注意を払ってメンテナンスをしているからです。
「うちは特にトラブルもないし、kintoneは勝手に動いているよ」
そう思われているなら、それこそが担当者の見えない成果です(kintoneに限らず、ですが)。 その見えない努力に光を当ててあげてください。
koaAdminは発展途上、是非、力を貸してください
2026年1月現在は「特定のユーザー・組織・グループが、設定やデータ上のどこで利用されているか」を検索することに特化しています。(更新機能は今後のアップデートで追加予定です)
私たちは、自分たちだけでこのプラグインをさらに良いものにしていくために、現場のシステム管理者の皆様の声を一番必要としています。
「もっとこんな機能が欲しい」 「ここの使い勝手が悪い」 「自分の環境ではこんなエラーが出た」
どんな些細なことでも、厳しいご意見でも構いません。ぜひ、私たちに教えていただけないでしょうか?フリープラン(読込対象アプリ数50の制限あり)も用意していますので、すぐお試しも可能です。
【ご意見・ご要望の送り先】
Xのコメント・DM、HPの問い合わせフォームから、どの方法でもお待ちしています。
X(旧Twitter):https://x.com/corenauts_sato または https://x.com/corenauts
HPお問い合わせフォーム:https://corenauts.com/contact/
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
コアノーツ株式会社 代表取締役。
2016年よりkintoneの導入支援・アプリ構築等の数多くのプロジェクトに従事。
現在は現場の「あと一歩」の課題に応えるためのプラグインを開発・販売。パートナー企業の皆様が持つ高い技術力とAPIを掛け合わせることで、お客様の利益を最大化するソリューション創出を目指す。「発想をカタチに、可能性をもっと先へ」がモットー。


